1/10(月) 大和シルフィード98(中学生) 

reported by 川辺

三保の森カップ決勝戦。本来であれば12月29日に行う予定であったが天候不良で延期されていた。相手は大和シルフィード98の中学生で中1〜中3で構成されたチーム。一昨日、昨日の両日で行われた神奈川県中学生大会で優勝した神奈川県No.1の中学生チーム。非常に厳しい戦いになることが予想された。
前半、三保の森フェスティバルで1回だけ対戦したことがあったが、その時よりも相手は自信に満ち溢れたプレーをしていたように思う。恐らく、神奈川県No.1の称号を手に入れたことがそうさせたのであろう。前に対戦した時はこちらに分があったが、それとは逆の展開を余儀なくされた。非常にチーム力に優れ、スピーディー且つ正確なパスワークを武器とするチームで度々、翻弄されるシーンが目立つ試合であった。そんな中、戦術が機能し始める前にこちらのミスから1失点を喫することになる。しかし、その直後に相手ゴール前で繋ぎ、最終的には個人技で突破し、1点を返す。が、喜びもつかの間。更にその直後、またも失点を許し1-2で前半を終える。
後半、戦術面での修正とここから先の戦いへの気持ちの持ち方を伝え選手達を送り出す。更に、ここでカテゴリー3の選手を投入し、ゲームの流れを引き戻すことを考えた。
後半に入り、徐々に流れに変化が出始めていたが、それでも相手のペースと言っていいだろう。相手は攻撃重視のチームであり、多彩な攻撃を繰り広げる反面、守備力に関してはそこまで大きな力を持つチームという印象はなかったが、局面局面では踏ん張られなかなか簡単には突破をさせてくれなかった。しかし、カテゴリー3の選手が前線で身体を張り、駆け回ってくれたお陰で徐々に守備網に隙間が見え始めた。そして、その選手の素晴らしいゴールで1点を返すことに成功。これでようやく勝ち越し点を奪うための準備が整った。しかし、またその直後に相手にロングボールから簡単に追加点を取られてしまう。追いついても追いついてもすぐに引き離されることが2度も続き、精神面での疲労は想像以上に高かったことが安易に想像できる。ただ、スフィーダU-14選抜チームは強かった。後半に入り戦術面でも多少の落ち着きを見せていたが、それでも失点を許してきた。何が正解なのか疑問を持ってもおかしくない試合。これで平常心を持ち戦うことは非常に難しい。失点直後は精神面の低下が見て取れたが、それでもすぐに持ち直すことが出来ていた。それが結果としてロスタイムでの劇的な同点弾を生んだのであろう。後半ロスタイムで追いつけた精神力、そして、何度も何度も食らい付こうとする精神力、非常に素晴らしいものを見せてもらった。感動的な試合であった。そのままPK戦へ突入したが、終了間際での同点弾は相手の戦意を奪い取るには十分であった。PKでの駆け引きでも上回り、3-1でPKを制し優勝することが出来た。
今回の決勝戦では戦術的な完成度の面で相手に分があった。我々の戦術も後半はある程度、機能していたが、局面での未熟さは否めない。今回は神奈川県No.1を撃破しての『優勝』という最高の結果を手に入れることができたが、選手達にはこれで満足することのないように伝えた。確かに勝てたが、内容的には3:7で相手にあった。支配率ではなく、どちらが勝利する可能性が高かったかどうかということでだ。『優勝』という結果に満足することなく、ここからまた1歩1歩確実に成長していくことが課題になるであろう。通用した部分、通用しなかった部分、選手達はゲームを通じそれらを感じ取ることが出来た。良い経験ができた試合であった。
最後に1つだけ加えておくことがある。確かに相手の方が有利な試合であったが、私はそれよりも選手達の精神力に敬意を表したい。非常に難しい試合であったが、それでも自分達が手に入れた結果はその精神力なしにしては有得ない。そして、この感動は有得なかった。ここまで戦えた選手達を誇りに思い、そして、自慢の選手達だと感じている。

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