6/28(日) ASエルフェン狭山マリ △2-2(1-1、1-1)

reported by 山田 岳暁

第14回関東女子ユース(U−15)サッカー選手権大会1次ラウンド、予選グループ最終節の相手は、埼玉県第3代表のエルフェン狭山マリ。同日に行った第2節(つくばFC戦)を勝利し、我々は予選グループ突破をほぼ手中に収めていた。一方のエルフェンは、武田消毒ジェイド戦を4−2で勝利している。残る予選突破をかけたチームが、つくばFCとエルフェン狭山となり、得失点差を考えると、最終節は事実上2位争いの試合である。この可能性にかけたエルフェンサイドの気持ちは、並大抵のものではないと誰からも想像できる。

十分な休息を取り、軽めのウォーミングアップを済ましてミーティングを入念に行った。まず選手たちが一番理解しておかなければならないのが、上記のエルフェン側のモチベーションである。次に相手の特徴。FWのスピードがあり、各選手の守備意識が高く、よく戦う素晴らしいチームである。その相手に対してどう戦うかを確認し、臨んだ。

前半が始まり、予想に反して相手は前からプレッシャーをかけてはこなかった。それであれば、これまで同様に高い位置でリズムを作りたいところだが、運動量が少ないために連携を思うように取れない。次第に、縦に急いでボールを失ってしまう回数が増え、逆にリズムを失ってしまう。すると、徐々に相手の速いカウンターを受け始め、DFラインでの際どい攻防がチームの雰囲気を落としていった。それでも先制点はこちらが、12分に中盤の選手がミドルシュートを決め、なんとかチームを盛り立てようとするが、単調なサッカーは変わらなかった。このまま前半を乗り切れるか微妙なところだったが、ついに29分、相手中盤の選手が我々の連携ミスを突き、同点弾を放つ。東京都予選から続いていた無失点記録が、ここで途絶えた。1−1でハーフタイムへ。

選手たちは決して楽に試合を行おうとはしていない。しかし、急に連携が取れず、攻守においてリズムを掴めないでいた。この原因は、11人のコミュニケーションである。ここまでの試合で、ベンチに一番声が届いていないことは明らかであり、それを試合の中で自分たちが修正できていないことであった。私は、このチーム結束以来、できることは全て選手たちに取り組ませてきた。この前半も同様に、ベンチから盛り立てるような指示を出さず、ピッチ上の選手が気がついて修正できることを望んでいる。しかし、これは関東大会。万が一で2位通過になるリスクを避けるために、ハーフタイムにこのことを伝えた。

後半、なんとか自分たちで変えようとする姿勢は見られた。正確に言えば、何人かの選手はそれを実践しようとしていた。しかし、サッカーは11人であり、一つのことを全員が取り組まなければプレーは成立しない。結局ほとんど状況は変わらず、時間だけが過ぎ去っていく。ついに44分に再び連携ミスから追加点を許し、逆転されてしまう。相手の鋭いカウンターを何度も食い止め、終了間際に1点を返して2−2で試合終了。

予選の結果は、2勝1分で翌週に控える第2ラウンド・決勝トーナメントに1位抜けが決定した。この試合で学ばなければならないのは、コミュニケーションの重要さである。また、個人が戦うことで、チームを活性化させるということも忘れてはならない。今回の試合に似た現象が、東京都予選にも唯一あった。修徳戦である。状況は違うが、自分のプレーに溺れてしまい、コミュニケーションに関してはこの試合と同様である。全国まであと1つ。二度と同じ過ちを繰り返さないよう、もう一度再起を図る必要がある。

試合結果に戻る