2/11(月) 文京学院女子中学校

reported by 川邊

第3回東京都女子ユース(U-14)サッカー大会も早いもので気付けば最終日となった。最終日となった本日が決勝という舞台であったことは喜ばしいことだとは思う。過去の2大会は先輩チームが2連覇し、今までの歴史を作ってきてくれたが、このチームが築いてきた結果ではない。そこに対する選手達のプレッシャーというものはないと思うが、今回の試合に関しては大会前からの予定通り『現時点でのベストメンバー』で戦った。本番である全日本女子ユース(U-15)サッカー選手権大会東京都予選へ向けた本当の意味での育成&強化はここから始まる。

今まで多くの時間を個の育成の為に活用してきたが、今後のテーマはチームの強化を図り、そのレベルの高くなった中で個がスキルを発揮する、というワンランク上の育成&強化に取り掛かることになる。そういう意味でもスフィーダは他のチームよりもチームとしての連携は未熟であり、完成度は低い。そして、ましてや決勝は文京学院という素晴らしいサッカーを行使するチーム。だからこそ、私達はチャレンジャーとなり、相手に向かっていく闘志あふれるゲームになれば良いと思っていた。

そこで、今回のテーマは”とにかく守備を意識し全員で激しく行こう、攻撃は捨ててもいいからとにかく守備だ”と送り出す。決勝に関しては”勝利”という競技スポーツの醍醐味を意識させ、また本番へ向けて、『この試合で関東大会へ進出するというシュミレーション』を行いたかったことが狙いである。しかし、究極の攻撃サッカーというものは全てが守備を解して語られるものであり、守備無くして良い攻撃は出来ないということを選手達には学んで欲しかった。真の攻撃サッカーを目指すのであれば、守備を意識するのは必然なのである。

試合は、最終ラインを積極的に上げ、コンパクトフィールドを形成する文京に苦しめられる内容だった。チームの連携などが成熟していないのはやむを得ないことであるし、この日のグラウンドはアップ場所の確保の為にいつもより狭く作ってあり、縦も横もスペースが少ない中でのプレーを余儀なくされた。そして、相手はハイプレスの文京学院・・・難しいゲームにならないわけがなかった。スフィーダの選手達は序盤から正攻法で戦おうとする・・・しかし、これでいいものか?準決勝のけやきSCも同じようなスタイル(ラインコントロール)で守っていたが、その瞬間、その時々で、相手のサッカーを見てどのような攻撃が有効か?というのを選手達が判断し、実行しなければならない。今回の試合に関しても、相手の特徴に気付いているものの、それを表現したり、伝えたり、という作業が成されておらず、前回の試合から進歩が薄かったのは残念だ。グラウンドも狭い上に凹凸が目立つグラウンド・・・それを正攻法で戦うわけだから相手の陣地に侵入することすら簡単ではない。しかし、こうしたグラウンドでの試合は本当にトレーニングには最善であり、本番もこの会場で行う可能性があるだけに非常に良いシュミレーションになった。前半9分にCKから先制するが、その後はどちらも崩しきる回数が少なく0-0のまま前半を終える。

後半、相手のディフェンスラインを掻い潜ろうと何度も抜け出すが、相手のオフサイドトラップに引っかかり、なかなか得点機を見出せない。しかし、その後、そのラインを掻い潜り4得点を奪うことが出来た。相手の気持ちが切れたということもあると思うし、何よりも2-0としたところで運命の分かれ道とも言える相手の決定機を運よく凌ぐことが出来たことも原因として考えられる。ゲームの内容は良かったとは言い難いが、この4得点に関しては褒めてあげたい。この4点ともGKと1対1になり決めたものだが、どれもインサイドキックで綺麗に流し込んだゴールだったように思う。これは週1回をシュート練習日と定め、シュート練習を行ってきた効果なのかな?と少し嬉しく思った。今までスフィーダの選手はGKとの1対1を苦手とし、ことごとく外し続けてきたが、1試合の中でこれだけ綺麗に決める回数が多いのは初めてかもしれない。たまたま上手くいっただけかもしれないが、多少は成長しているとも考えられる。

結局、ゲームは5-0と得点こそ開いたが、自分達の未熟さを痛感させられる内容であったし、まだまだ改善の余地が数多く残されているというのがわかった。ただ、どれも連携などの問題や選手達のコミュニケーションの問題なので、今回出てきた問題は全てメンバーを組んで試合をしていくことで簡単に解消されるべきものだと思う。そういうことも含めて今大会は何をどうしなくてはならないということがはっきりした大会であった。

今回も優勝することが出来、大会を3連覇で幕を閉じた。この新チームが始めて自分達の手で手に入れた東京チャンピオンだ。しかし、これはあくまでも今だけであり、この先、本番で同じように勝てるかなどわからない。勝負事に絶対はない・・・だからこそ、私達は勝てる可能性を1%でも上げられるように努力し続ける必要がある。周りは良いチームばかりだからこそ、今からしっかりと準備をして行きたいと思う。

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