6/3(土) 山中湖レディース(山梨県第2代表)

reported by 川邊 健一

関東女子ユース(U-15)サッカー選手権大会、今回から予選リーグが導入され、4チームによる総当りで決勝トーナメントに進む2チームを決めることになる。この予選リーグの目標は、もちろん予選を全勝し1位突破すること。但し、それは右側の山へ行くことを意味する。その後のトーナメントを考えれば2位で逆の山(左側の山)へ行く方が様々な面でメリットがある。それは一番警戒している浦和レッズと逆の山になることが1つ、もう1つは万が一準決勝で敗れた場合でも準決勝と3位決定戦の時間が空いているということ。準決勝・3位決定戦・決勝戦は同日に行われる、3位までが全国大会へ進出できるため可能性を追求するのであれば左側の山の方が断然有利だと言える。しかし、我々は常に全力で目の前の相手と向き合うことしか考えていない。2位で抜けて可能性の高い山へ行くことよりも目の前の相手を破っていくことしか考えていない。仮に先を見据え逆の山へ行くように計算したところで最終的には目標とするものは手に入れられないような気がする。これは私のエゴなのかもしれないし、間違いなのかもしれない・・・それでも私は自分の信念を信じているし、それで最終的に目標を達成することが出来なくても少なくとも後悔はしないはず。だからこそ、この予選リーグも全てを全力で戦い1つ1つの試合で勝利だけを考えようと選手達には伝えていた。
その重要な初戦は山梨県第2代表の山中湖レディース。山梨県予選では3チームのリーグ戦で行われていたが、3チームの戦績は全て1勝1敗。得失点差で関東大会の出場権が決まっていた。山梨県のレベルは非常に拮抗していることが予想され、その拮抗しているレベルがどの程度のものなのかを見ることは出来ていなかったので不透明なことは非常に多かった。ただ、相手は13名の選手が登録されており、そのうち小学生が3名ほど入っていた。要するにスタメンには100%小学生が1名入るということである。そういう意味ではスフィーダ内から選抜して帯同した17名の選手の方がレベルは高いはず。各選手にチャンスを与えると言う意味でも関東大会前までのベストメンバーではなく、リザーブ選手を全員フル出場させることを考えてメンバー編成を行った。
リザーブメンバーと言え、皆、過去や現在に最低でも東京選抜・トレセンの経験がある選手達であり、そのレベルは高い位置にあると思う。従って、それでも圧倒的に攻め立て数々のチャンスを作り出す。が、チームには活気がなく闘争心を感じることは出来なかった。球際の強さがなく、集中力も欠け良い所を探す方が断然難しいような内容である。相手を侮ることは一切なかったが、リザーブ主体のメンバー構成になることにより、選手達の意識の中に『勝てるんだ・・・』というものが芽生える可能性が否めなかった。だから再三に渡り、この試合の重要性やそういうことではないと伝えてはいたし、仮に勝てる試合だったとしてもそれを理由に手を抜くことは許されない。いつも言っていることであるが、手を抜くことイコール己の成長を放棄するということに直結する。今のままでは全国制覇は難しい、毎試合の中で少しづつ成長し、日々前進していかない限り目標に辿り着くことは不可能だ。自分達の目標を再確認し試合へ臨んだが、私の伝え方が悪かった為か高い意識レベルにまで選手達を導ききれなかった。ただ、リザーブ組の選手達は必至にアピールしようとしていたし努力もしていた。また、1試合を通じ出場させたことにより連携面での可能性は格段に広がった内容であったことは1つの収穫であったと思う。
内容が悪くても勝ててしまう・・・。これはそれだけレベルの高い選手達により構成された集団であるからこその贅沢な悩みであるのかもしれないが、公式戦全勝の負けた事のないチームだからこそボロが出るときは一気に来そうで、強さの向こう側に脆さも伺えるからこそ怖さがある。結果的に10得点も出来たが、それでOKと出来るような内容ではなかった。グラウンド状態が悪く、いつものようなサッカーが出来なかったというのも事実であるが、それは技術不足が招くもの。全ては私達の技術力にまだまだ課題が残されているということにある。それを早急に修正することは出来ないが、すぐに修正できることもあった。今出来ることを今やる、そして、そこで出た課題を修正する、更に成熟させる・・・この繰り返しで選手は成長して行く。今、私達は窮地に立たされている・・・この意識を各々が持つことでしか目標には近付けない。結果オーライ、、、そういうチームではあってほしくないと願っている。

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