3/19(日) 大和シルフィードU-15

reported by 川邊 健一

今回の大会でもU-15選手権大会を見越した布陣を敷くため、本来トップチームに属している中学生などの多くはU-15の部でエントリーした。また新メンバーとなる小学生も4名の選手が都合をつけてくれ参加してきてくれたので、U-15選手権大会を見越した上で新戦力の力試しの場としても考えていた。トップチームへ出場する選手が何名かいたのでそれらの核となる選手を欠いての試合となったが、その分、小学生などの新戦力の発掘には最高の舞台になった。何故なら、前後半のバランスを保つ為にも小学生は2名づつ前後半で起用すると決めていたからだ。
前半、序盤は局面での連携も悪くなく、まずまずの滑り出しといったところであり、良い時間帯に先制点も奪えた。先制点は小学生の個人技で引き出した力強いものであり、その能力の高さには感服した。得点シーン以外でも随所で光るプレーを見せ、小学生が入っていても問題なくやれるという実感を得ていた。それ程、今のU-15チームには総合的な力があり、高いレベルでコミュニケーションが取れると思っていたからだ。しかし、曖昧な対応から重要な局面を簡単に崩され1失点・・・その後は明らかな相手ペースとなった。相手の細かい連携に苦しめられる時間が極端に増え、劣勢を余儀なくされた。その要因として第一に考えられたのが、トップチームで出場予定の核となる2選手が抜けたことによるシステム変更の影響だった。中盤の構成が変ることで特に守備面での欠点が浮き彫りになった。昨年12月に新U-15が選抜されて以来、変らず1つのシステムで戦ってきた。初めて大事な試合でそれを崩したことになったが、守備時のセンターハーフのバランスが乱れ修正が難しい状態に陥ってしまった。交代で中盤の選手を入れることができれば良かったが、それに相応する選手は本日のメンバーにはいなかった。また、最終ラインのキャプテンもいなかったことで最終ラインのバランスを保つことができなかった。結局、その後も完璧なミスで難なく対応できるシーンで失点し1-2で折り返すことになる。
後半に入り、状況は更に悪化したと言える。相手は完璧に自信を持ったプレーで戦い、我々はただ単純にそれを防ぐことに手一杯になってしまう。もっと出来るチームだと分かっているだけに残念であったが、トップチームへの出場で不在となった2名の選手の存在感を改めて痛感させられるものとなった。
スフィーダU-15選抜チームの選手達は全員優秀だと信じている。しかし、それぞれに役割があり、その役割というガラスにヒビが入れば、もろくも全てが崩れてしまうんだという実感を得ることが出来たのはことのほか大きなことであった。結成以来、一般チームとやろうが高校生とやろうが全ての試合に勝利してきたチームなだけに、この敗戦はこのチームにとって大きな意味を持つ。本番までに1度も負けた事のないチームはどうなんだ?という疑問もあった。だからこそ、この敗戦は大きな意味を持つ。勝ち続けていただけに選手達が自分の問題点を意識しきることが難しかったが、今回の敗戦は何よりの薬だと思う。これでまた1つ成長することは間違いない。しかし、この主力選手が抜けた時に力が出せないというのは何かに似ている。それは昨年の関東女子ユースU-18選手権大会だ。予想していなかった怪我人続出で逃した全国大会への切符・・・同じ過ちはどのカテゴリーでも繰返してはならない。だから私達はもう一度原点を見据え再出発を果たす必要があると思う。その分岐点がこの敗戦である。

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