12月23日(木) 欅SC

reported by 山田

第24回東京都女子サッカーリーグ4部リーグ順位決定戦。相手は同リーグでスコアレスドローとなった欅SCであった。この試合は年間最後の公式戦であり、順位にこだわる上でも勝利で締めくくることが求められた。私の胸中ではリーグ最終節の勝利と来シーズンへ向けての選手の成長の2つのビジョンがあった。その為、この日に限っては敢えてウォーミングアップ・ミーティングを選手中心で行わせ、これまでのような細かい指示やコーチンングを控えた。その狙いは自分達でゲームを運ぶ、作ることである。年間における試合数はほとんどが公式戦であり、そこで結果・内容共に何かを残さなければ練習試合さえもこなすことが出来ない選手達にとって、日頃のトレーニングを必死に取り組み、貴重な試合で成果を発揮することがチームの目標であった。サッカー選手としては当然のサイクルだが、カテゴリー3にとってはまずこの習慣を身に付けることが必須なのである。更に教えられないと考えられない、言われなければ動けないという悪い習慣を変えるためにも、この公式戦というプレッシャーの中でやれせる必要があった。逆に言えば選手だけでどこまで戦えるのかを見極めるためでもあった。
ミーティングではスタメンの発表と前節の反省だけを振り返り、後は何をポイントとして臨むのかを自分達で考えさせ送り出した。開始直後は自分達で何とか先手を取ろうとする意識は見えたものの、ポイントが明確になっていないチームというのはあっという間に崩れるものである。相手もほぼ同じ年代の選手であるため以前戦った時よりも確実に力を付けていた。そして、当然しっかりとミーティングを行い勝ちに対する闘志を剥き出しに挑んできた。これに受身で消極的な対応となり早速押し込まれる展開が続いた。ゴール前は固めることが出来るが攻撃に移ることが一切出来ない苦しい時間であった。半ばに差し掛かる頃には失点してもおかしくない状況だと察し、早めに交代を行い積極性を取り戻すきっかけを作った。この時間帯を何とか乗り切ると次第に落ち着き始め、少しづつ攻撃に時間を使えるようになってきた。序盤の流れがようやく傾いた23分、たった1つの好プレーが先制点に結びついた。左サイドハーフの選手がピッチ中央へロングボールを送ると中盤の選手がこのこぼれ球をダイレクトで再び左サードの裏スペースへパスを送る。これに反応したFWが素早く抜け出すとGKとの1対1を向かえ、何とかゴールを奪う。それから前半修了まではほぼ互角の展開が続き、1点リードのままハーフタイムを迎えた。
ここで更に選手を交代させ最終ラインの安定化と攻撃陣の強化を図る。ここでのミーティングも大方自分の最大限の力を発揮するといったことしか告げなかった。前半での苦戦から選手達の意識も変化し始め、お互い積極的にコミュニケーションを取るようになった。
後半、システムを代えて挑むと勢いを取り戻しゴール前に迫るが決定機までは至らなかった。持ち前の運動量と勢いで追加点を狙うがこの日はFWが精度を欠き、最前線でボールを収めることが出来ず自らチャンスを潰すこととなった。今度は半ば頃から完全に相手の時間帯になり一方的に攻め込まれる。何度もピンチを迎えたが相手のシュートミスにも助けられた。ここから流れを引き戻すことは出来なかったが結果逃げ切る形になり1‐0で勝利することが出来た。
4部リーグ5位という結果で幕を閉じることになったがこの時点で次のスタートを切っていることは言うまでもない。仮に普段通りに試合に入り、勝利を得ていたら終わりよければ・・・で技術的な反省しか残らなかったであろう。では何故この試合で苦しんだのか?チームとしてまとまれず不安定な状態に陥ったのか?先に挙げたとおり日頃からの悪い習慣が原因だったと言える。またそれが勝ちたい時にマイナスな要素になるかを学べたのではないかと思う。誰かが教えてくれる、助けてくれる時はそれ程気付かないものであるがそれがなくなった時にどこまで自分達の力で乗り切ることが出来るかを見極めることが出来た。しかし、このような展開で勝利を得たことがほとんどなかったチームが、この最終戦で結果を出せたことは大きく評価したいと思う。ここまで積み上げてきた努力と強い気持ちが失われずに来たからこそ、リーグ5位という結果が残せた。これでチームは解散となる。今度はより一層自分自身を見つめ直し努力してもらいたいと思う。昇格は果たせなかったものの、周囲にカテゴリー3の印象を与えることが出来、よく頑張ったと言いたい。チームではっきりと勝ちたい、巧くなりたいと目標を掲げ努力を続けてきたが、悔しさの残る結果と受け止めてほしい。
そして、保護者の皆様、なかなか試合を観戦して頂くことがかなわず非常に残念でした。選手達は正直、私の当初の予想以上に成長しました。その姿を是非、見ていただけたらと来シーズンに期待を持ち越したいと思っています。しかしながら陰で選手を支えチームに理解をして頂いたことを心より感謝いたします。本当にありがとうございました。また最後まで応援頂いた監督・コーチ・カテ1、2の保護者の皆様、並びに関係者の方々にも重ねて感謝いたします。次こそ3部昇格を目指せるチームを作って行きたいと思いますので来年も応援宜しくお願いします。

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