ゲーム分析レポート

6/5(日) 東京都女子サッカーリーグ中学生2部リーグリーグ 第1節
    VS.杉並FC ○2-0(1-0、1-0)

reported by 山田岳暁

ゲームテーマ:1対1の局面の打開 〜観る・判断・チャレンジ〜
守備テーマ :守備の優先順位
攻撃テーマ :前を向くためのプレーの判断、コンタクトプレー

総評

入部から現在まで取り組んでいる、『個の強化』に基づき、攻守における1対1の局面の打開を最大のテーマとして臨んだ。具体的には、守備の優先順位の徹底や相手の攻撃を観て予測を立てる、ゾーンの切れ目で受ける、視野の確保といった、個人戦術の基本理論の定着を目指した。これらのサッカーにおける原則に加え、スフィーダスタイルである『相手の予測を裏切るプレー』の判断・チャレンジを、実戦の中で習得することも目指した。

前半のメンバーは、シンプルにかつピッチバランスをうまく活用したポゼッションで多彩な攻撃を展開することができた。相手の予測を裏切るプレーの実現は、よく表現できていたと評価している。各ポジションの位置取りや、動き出しのタイミングなどの戦術的な部分は、現段階では評価以前の所だが、攻撃時の選手それぞれの豊富な運動量から生まれた流動性は、得点の可能性を大いに感じさせてくれた。守備陣は、インターセプトやFWへの素早いパスなどが評価できたが、空中戦の弱さ、ボールを奪うといった激しさに欠ける課題が残った。

後半のメンバーは、個人のゴールに向かう姿勢が前半よりも高く、相手に脅威を与えていたと感じている。結果、後半開始2分で追加点を挙げることができていた。しかし、その後は同じ攻撃を繰り返すことで相手に予測され、カウンターを受けるシーンが何度か見られた。後半の攻撃陣は、同じサイドの選手にボールを集めすぎたことで、自らリズムを失っていたことを次回に生かしてほしいと思う。一方で、後半の守備陣は空中戦の競り合いに果敢に挑み、そのこぼれを自ら拾うなど二次攻撃の芽さえも摘み取る働きをしてくれた。また、相手のカウンターに対しても冷静に優先順位を判断して対処し、決定機を作らせなかったことは大いに評価している。今後は、GK自身のプレーエリアの拡大や、ディフェンス陣との連携力が課題になりそうである。

前後半共に、狙いがはっきりと伝わるプレーが多かったため、今後に向けた好材料を得ることができた試合であった。相手は、押し込まれていてもしっかりと繋ごうとする意識の高い好チームだったため、見習わなければいけない部分が多々あった。
サブテーマについては、守備の優先順位の確立にまだ甘さが残る印象が強かったため、選手個々に対して、もう一度確認する必要がある。また、闘う姿勢をさらに引き上げることで、空中戦やボール奪取の局面の強さを求めていく。攻撃における、前を向くための判断は、視野の確保360°を目指していくとともに、反復練習でプレーの引き出しを増やしていく。
次節までは、これまでのトレーニングをさらに試合とリンクさせて、一貫性のあるものにしていく。そして、今日の反省を活かして、より広い視野を確保し、瞬間的な判断の幅を広げていきたいと思う。



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