4/18(日) 慶応義塾大学ソッカー部女子

reported by 川邊 健一
東京都女子サッカー大会準決勝(30分ハーフ)
スフィーダ世田谷FC 2
2
3
前半
後半
延長
3
1
0
慶応義塾大学ソッカー部女子




9 内山朋香
24 岡田あやめ

4 田中麻里菜
4 田中麻里菜
11 笹子正恵
11 笹子正恵
23 山田ゆり香
得点経過
1min
2min
9min
16min
24min
47min
48min
53min
67min
75min
78min

17
11 (CK)
17 (CK)


11
29 シュート数 11

東京都女子サッカー大会準決勝、慶応義塾大学日吉Gにて行われた。 決勝戦進出を目指し、その中で内容を重視した闘い方がしたいと考えていたが、試合は極めて難しい内容になってしまった。 その結果、テーマを意識することが出来ず、得たものは勝利と新たな経験というところか。


日体大より新加入の#18山田ゆり香

本日も2得点の#4田中

前半、開始1分、2分と立て続けに軽率なミスから失点してしまう。 これにより相手は勢いを増し、私達は受け身の態勢となってしまった。 立ち上がりの5分は何よりも集中力がいる局面にも関わらず、集中力を欠いた結果、リズムも流れも全てを相手に明け渡してしまった。
こうなると苦しくしかならないが、選手達は目を覚まし、そこから点を取りに行く。 しかし、9分、前がかりになったところにカウンターアタックを受けCKへ。 これもGKの軽率なファンブルを押し込まれた形になり開始9分で早くも3失点。。。 早い段階での3失点は絶望的な失点だと考えて良いほどのものだと思う。
その後、チームは何とか得点を奪い返す為に、一丸となり攻め続けた。 押し込むスフィーダに対し、切れ味鋭い2トップを活かしたカウンターアタックでチャンスを伺う慶応義塾大…このような試合様相だった。 その展開の中、16分に内山が、24分には岡田が得点し、何とか追いすがる。 その後も前半終了までに決定的なシーンを作り出し、何とか同点にまで追いすがり終えたかったが、相手に粘られ2-3のままハーフタイムに突入した。

後半、ハーフタイムを挟み相手が再度やるべきことを徹底してきたのが分かった。 迫りくるスフィーダに対し、少なからずとも焦りが見られた前半終了前の10分間は得点の匂いがあったが、後半がスタートしてからは違う顔を見せてきた。
15分が経過し、残すところ15分…このままでは守りきられる恐れがあると判断し、攻撃的なシフトにチェンジした。 その隙を突かれ2-4と決定的な失点を喫してしまったが、それでもチームは慌てずに淡々と得点を狙ってくれた。 意気消沈してもおかしくない失点ではあったが、幸いなことに次のプレーで田中が取り返し、5分後には再度田中が得点し4-4というスコアで後半を終えた。 結果、大会規定により20分間の延長戦へ突入した。

延長戦でのシュート数は8対1、この数字が物語るように試合を支配することは出来たと思う。 しかし、時より見せる相手2トップのカウンターは鋭さがあり、危険な攻撃だった。
1得点し5-4となってからはチームが落ち着いて攻撃を繰り返せたこと、相手の闘志に綻びが出たこと、から私達の狙っている得点の形も生まれた。
笹子の2ゴール、新加入山田の1ゴールで結果的に80分間を闘い7-4という形で決着が付いたが、得点の数は評価できるものの、失点の数があまりにも多かった。


延長戦突入…

逆転勝利で決勝戦進出決定!

このゲームの運命は最初の3失点が全てのリズムを決めたと言って間違いないだろう。 最初の連続3失点は、一見誰もが選手個人のミスに見てしまう局面ではあると思う。 ミスであることには間違いないが、その瞬間(局面)のミスよりも、ゴールを奪える位置にまでボールを運ばれたことに問題があり、言わばチーム全体のミスと私は考える。
1失点目、2失点目はCBのミス、3点目はGKのミス。どれも難しい対応ではない。 チームの最後方で最後の砦として守ることを使命とするポジションだからこそ、本来ミスは許されない。 その責任を理解しているからこそ、対象の選手は意気消沈していたが、それもチームのミスであり、ミスを犯したチームはチームで得点を奪いに行かなければならない。 事実、攻撃に出ようとして、前線のプレーヤーが軽率に失ってからカウンターを食らいセットプレーに持ちこまれた失点もあった。 だから個人の責任になど出来ない。ボールをゴール付近にまで運ばれないような対応が出来ていなかったということである。

まだまだ選手達は精神的にも若い。ミスを取り返そうと努力している姿には”成長”を感じたが、ミスの直後はプレーが委縮し、それが原因で連続して失点したのも事実。 それでもこれはあまりない経験だったので良かったのではないか?キックオフ直後の5分は特に気を付けなければならない。 それを身を持って体験できたことはプラス要素と考えて良いだろう。今までに経験のないようなまさかの電光石火の3失点スタートではあったが、これもサッカーの醍醐味と言ったところだろうか。

それでも明らかな劣性の戦況にも関わらず、チームは最後まで勝利を目指し闘ってくれた。 11得点も入った乱打戦だったので観ている方々は面白いゲームに映ったことと思うが、自力でねじ伏せた感が強いゲームであり、内容的な収穫は無いに等しい。 しかし、目まぐるしく変る戦況の中、それに合わせ逆転まで持ち込んだのは素直に評価出来ると思っている。

次は決勝戦になるが1週間で早稲田大学への対策を練り、戦術・戦略で挑戦したいと思う。


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