10/17(土) 早稲田大学ア式蹴球部女子

reported by 川邊 健一
全日本女子サッカー選手権大会関東地区予選(40分ハーフ)
スフィーダ世田谷FC 1
1
前半
後半
2
5
早稲田大学ア式蹴球部女子



17 赤羽紗里

7 仲優希
得点経過
17min
24min
32min
43min
47min
50min
66min
73min
79min

18
11

7

18
7
7
20
6 シュート数 20

東京都予選終了後、2ヶ月間に渡り準備を進めてきた関東大会であったが、思いを果たせず1回戦敗退という結末で終わった。
全国屈指の強豪チームと渡り合うために準備は行ってきた。主要選手の怪我出などの離脱が相次ぎ、チーム状態は決して優れたものではなかったが、残された選手達で何とかチームを立て直し、これなら行けるのではないか?という状態にまで上げることが出来た。しかし、現実は厳しく、私達に大きな壁となり立ちはだかった。

応援に来てくれた下部組織の選手達

個で圧倒的な差を見せる早稲田大#11
前半から試合は劣性であった。チームは極度の緊張から動きにキレがなく、冷静さを失い、何も見えていなかった。相手の迫力や技術に翻弄される時間が続き、苦しい状態が続いた。スコアだけ見れば前半で1-2であるが、何とかしがみ付き1点をCKから決め首の皮一枚で後半につなげたような展開であった。

このままでは、間違いなく勝てない…冷静さを失い、何も見えなくなってしまっている…それ故に前半で残せたものは何もないと言っても過言ではないのではないだろうか。自分達の闘っているカテゴリーでは少なくともこうした展開になることがなく、チームが慌てふためき、何も出来ない自分達に士気が下がるのは良く分かるが、これでは後半戦も前半と同じことを繰り返すだけと感じていた。ハーフタイムでは、現在の戦況を冷静に伝え、どうすれば活路を見出せるか?選手達に伝えた。それと同時に今のままでは絶対に勝てないことも。

後半、それでも一度狂った歯車を元に戻すことは簡単ではない。開始直後に1-2から1-3と広げられ、すぐにまたもやCKから得点し2-3と迫ることは出来たが、4点目を失い2-4となってからは、リスクを冒して相手の歯車を狂わせる為に、こちらのバランスを無視した形にシフトチェンジした。それと共に守備の要のキャプテンをFWへ上げ、何とか得点を奪うことを考えた。この試合はリーグ戦ではない。だからこそ、何点差で負けようが負けは負けである。しかし、得点が奪えないだけではなく、次々と失点し最終的には2-7の完敗という結果にて試合が終了してしまった。非常に強く、そして技術の高い素晴らしいチームであった。今回は結果も内容も完敗と認めざるを得ない。

苦しい時間帯が続いた

歴史的敗戦…だが、胸に刻み込みたい

相手と比較し、色々な分析を行ったが、一番の差は”経験”だと思う。もちろん、基礎的な技術や個々の能力に差はある。しかし、一番大きかったのは”経験値”だったと思う。これまで身体能力に勝る男子チームと練習試合を繰り返し、女子では経験できない身体能力とも闘ってきた。しかし、男子は男子、女子は女子でそこに違いがあったのも事実。女子よりも強いチームと練習試合を行っていれば勝ていると思っていた私が甘かった。また、練習試合と公式戦では全然違う。練習試合は所詮練習試合でしかない。本番の緊張感の中、私達は2ヶ月間の想いばかりが先行し、言わば”空回り状態”となってしまった。
強い女子チームとの本番での”やり取り”…これが何よりも欠けていたと思う。もちろん、相手との差は多くの場面で見られ、もし、その”経験値”を持っていたにせよ劣性の展開にはなっていたと思う。ただ、もう少し違う姿を見せることが出来たのではないかと思っている。少なくとも自分達の良さは少なからず出せたのではないかと思っている。

今回は本当に何も出来なかった。それは選手もスタッフも痛感している。相手がいくら日本を代表するチームだからと言っても、これほど何も出来ないとは思っていなかった。しかし、それを感じ、体験できたこと自体が今回最も不足していた”経験値”にかわることと思っている。だから決して無駄な敗戦ではなかった。これを力に代え、更なる前進を目指し、強い気持ちで現実と向き合っていくこと。私達にはそれしか出来ないと思う。そして、3ヶ月後に待ち構える関東リーグ入替戦(今季最大の目標)で笑えれば良い。次のステージへ行ければ必ず次の扉を開くことが出来るだろう。だからこそ、それまでに怪我で離脱している選手達も回復させ、3ヶ月後にベストの状態で闘えるよう徐々にチームの士気を高めていく作業に徹したいと思っている。

最後になりますが、チームを最後まで応援して下さった皆様方に改めて御礼申し上げます。チームは目標を果たせず、無念の敗退となりましたが、今季最大の目標を達成すべく、これから強い気持ちを胸に前進して参りたいと思います。今後とも応援のほど宜しくお願い致します。

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