11/9(日) FC PAF ●1-2(0-1、1-1)

reported by 川邊 健一

お互いにリーグ第6節を迎えた終盤戦。共に全勝同士の優勝決定戦と言っても過言ではない一戦。今後のスフィーダを占う上でも非常に重要な一戦であり、今年度で最も重要な試合であると、ずっと選手達には伝えてきた。

そうした大事な一戦を前に受験生が次々とチームを離れ、また体調不良者、怪我人などもおり、万全の状態とは言い難かったが、メンバーがいないのは言い訳にならない。受験生が抜けることを想定しチーム作りも進めてきた。1年間という長いリーグ戦を戦う中では想像のしていないことだって起きる。だから、何が起きても対応できるチーム作りを行ってきた。また、相手からしてみればそんなことは関係ない。当り前ではあるが今日構成したメンバーがスフィーダのベストメンバーだと考え、これがスフィーダであると選手達に話した。

試合では、まずゴール前でのファール(フリーキック)、コーナーキックを徹底して避けることが1つの狙いであり、出来る限り自分達のゴールの周辺でプレーする機会を減らすことをテーマとしていた。
1stGKは受験休部(高3)、2ndGKは体調不良(大2)、トップにはこの2名しかGKがいないのだが、万が一のために帯同していた中1のGK(スフィーダには6名のGKがいるが登録上の問題でこのGKしか出場できない)に急遽試合を任せることになった。能力は高い選手であるが、あまりにも経験が足りない。試合のみならず、練習ですら擦り合わせをしたのはないに等しい・・・だから、チームで中1GKをサポートすることを考えなければいけなかった。しかし、結果的には、この緊迫したゲームにおいて非常に素晴らしいプレーでチームの危機的な状況を救ってくれたシーンすらあった。称賛に値するプレーだった。
そのような中、開始直後の1分にゴール前の危険な位置でファールを犯すと、こぼれ球を押し込まれ早々に失点することになる。作戦通りにゴール前での攻防を最低限に抑えなければならないシーンで、それが出来ず全てが悪い方向に向かってしまい失点してしまった。これで追い込まれた状態になってしまったが、逆に後がなくなり、個人的にはより冷静にゲームを見つめることが出来た。
硬さが抜けてくると主導権を握りながら優勢に試合を運ぶことが出来た。この日のMVPは間違いなく昨日18:00にアメリカ実習から帰国した大学2年生FW。一週間以上トレーニングしていなく、時差ボケもある中だというのに高い個人技とスピードを武器に個の力で何度も相手の守備網を掻い潜り決定的なシーンを演出していた。GKすら交わせるシーンが何度もあったが、それでも得点が奪えず前半は相手よりも3倍のシュートを放ち、いつも通りの展開に持ち込むことが出来た。

ハーフタイムでは、機能しきれていない中盤の選手達に戦術的な指示を送り、15分までに得点が奪えなかった場合は、最後の賭けとして攻撃的なシフトに切り替えることを伝えた。

後半、開始直後にゲームメーカーが足首を負傷し退場・・・正直、この選手の代役はいないというチーム状況。これも想定外の事故ではあるが準備が出来ていなかった・・・やむを得なく、FWの選手をそこのポジションに埋める形で投入する他なかった。どうするか?少し早目に攻撃的なシフトに切り替えることで穴を埋めるか?考えているうちにペナルティーエリア内で仕掛けたプレーがPKを演出。それをキャプテンが決め、試合を振り出しに戻した。ここから逆転へ向けて勝利を目指したサッカーを行ったが、徐々に消耗から足が止まり始め、前線も中盤も機能的に動けなくなってしまった。メンバーが少ない上に、不慮の事故もあり、それでも死力を尽くしてチームは闘ったが、戦況としては流れはPAFにあったと言って良いと思う。そして、迎えた後半ロスタイム、、、最後の最後で相手に左サイドを崩され、勝ち越し点を奪われる・・・すでに手の施しようのない状態であった。試合は終了し1‐2と全日本選手権に引き続き同じ相手に2連敗する形となった。

敗因として、まだまだ準備が足りなかったという反省も残るが、それよりも単純に力が足りなかった。相手の方が強かった。それだけだと思う。まだまだ経験の差を技術でカバーできるレベルには達していなかったということだ。もっと言えば、今回のゲームは内容的にも優れたものではなく、ここに来て今シーズン最もパフォーマンスレベルの低い闘いの1つだった。問題は色々とある。自分達への甘さが、取り組む姿勢を異なった方向へ導き、現実と理想が混同してしまった面も否定できない。全てが甘かった、、、足りないことが多過ぎた、、、だから、力を引き出すことが出来なかった。正直、今のチームは全日本の敗戦から精神面での成長が薄い。一度負けたかもしれないが、もう一度闘えば勝てるだろう・・・そうした精神状態の選手が多かったように思う。ずっとPAFは強い、今のままでは勝てない、と言い続けてきたが、それも大した効果はなかったように感じていた。

今のチームには何か大きなきっかけというか、何か目に見えた改革がなければ前進しないようにすら思う。精神面の強化から取り組む姿勢は正しい方向へ導かれ、それが今後の全てを支えてくれることになるだろう。また、今後の勝敗の紙一重の差を埋めるため新しいチャレンジをしなければならない。そうでなければ毎度こうした敗戦を繰り返し、同じような反省を繰り返すだけの日々になる。

これでリーグ優勝が大きく遠のき現実的には難しい状態になった。またしても目標に届かない可能性が高い。しかし、これらは全て自分達の甘さが原因なのは、はっきりしていることであり、変われば次は勝てるだろうし目標も達成できるだろう。しかし、変わらなければ、また同じ敗戦を繰り返す。それだけだ。
今年駄目だったとしても、あと1年間最後の1年間だと思って出来ること全てやり尽くしたいと思う。チームのことだけを考えて闘いたい。小さなことでも自分に出来ることはまだまだあるような気がしている。
悔しさは超越した、もう喜びだけを味わいたいと願っている。そういうチーム作りを今からスタートさせたい。

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