9/23(火) フィオーレ武蔵野FC ○3‐1(2‐1、1‐0)

reported by 川邊健一

東京都女子サッカーリーグ1部リーグ第4節はフィオーレ武蔵野FCとの対戦。今期は9チームで構成されているリーグ戦のため、今節で折り返しとなる。節目のゲームであり、フィオーレはリーグの中で特に警戒すべきチームの1つであると考えていた。前線にタレントを揃え、その攻撃は、破壊力、迫力共に高い水準にあると思う。

スフィーダは前節(9月7日)を終え、9月11日〜9月15日で5日間ほど遅い夏休みを取り、選手達を休ませた。その後、16日より活動を再開し、この第4節までに5回のトレーニングを重ね、何とか試合の出来るレベルにまでコンディションを調整した。この5回では徹底して新しい攻撃のトレーニング(相手DFの裏を取る、オフ・ザ・ボールの質)を導入したことで、選手達の攻撃のバリエーションが増し、この試合で新しい顔が見れると確信に近いものを抱いていた。トレーニングの成果を出すこと、それは得点出来る可能性が上がることであり、試合の勝利が近付くということでもある。

試合は、開始直後からトレーニングの成果が出ており、今までになかった形から決定機を作り出していく。FWのオフ・ザ・ボールの質も明らかに向上し、GKと1対1になれる機会も多かった。しかし、相手GKは高いレベルでのパフォーマンスを発揮できるプレーヤーであり、尽くギリギリのところで守り切られてしまった。ただ、上手く繋いで崩せている回数も多かったので得点への期待感は高く、開始直後にMFのミドルシュートから得点し主導権を握ることが出来た。しかし、今のスフィーダは得点が続かないという課題を抱えており、相手に付け入る隙を与えることも多い。現に前半30分頃に最も警戒していた相手FWに一瞬で抜け出され失点。攻めている、決定気が多い、その割には後が続かないだけに相手の気持ちは折れることがない。特に今回はゴールに向かう姿勢、得点を奪おうとする意識が、いつもよりも低かったと思う。もちろん相手GKは素晴らしく、その活躍を忘れるわけにはいかないが、得点を奪うための技術は習得できているはずであり、また、この試合までの5回のトレーニングは全て”それ”に時間を費やしてきた。技術があっても、選手達が強く得点を願う心がなければ、得点は奪えない・・・得点こそ気持から生まれるもののような気がしている。
結果的に一時は振り出しに戻されたが、それによりチームはゴールへの欲を取り戻し、すぐに得点を挙げ2-1と勝ち越しに成功。ただ、その後、またもチームはゴールへの貪欲さを失い加点することなく2-1で前半を終えた。

続く後半戦も基本的には主導権を握り闘えていたが、2回ほど決定機を作り出されてしまった。ポストに救われるシーンもあったが、それもそのはずで相手2トップの個の力は非常に高く、スフィーダの攻撃的なスタイルの裏を取る形で危険なシーンを作り出していた。もし、そこで1点でも奪われていれば結果は違っていたかもしれない。しかし、そこを乗り切ると、ようやく3点目が入り、やっと勝負がついた。本日のスフィーダでは更なる加点は難しく、3-1で勝てたことが救いだった。

前半は得点までの道のりは良かった。形ははっきりしているし、トレーニングの成果を随所に発揮できていた。しかし、その割には物足りない・・・簡単に言えば得点が少ない。それが気持ちの部分(迫力)なのだと思う。選手達は間違いなく手を抜いているわけではない。ただ、1点というリードで安心してしまっているように映る。チャンスを狙って作り出せるようになってきたことから成長は感じるが、得点の重要さをどこか忘れがちになってしまう時がある。

良くも悪くも課題がはっきりした試合であった。今までのチームの歩み方が正しかったということは確認できたし、間違いなく力を付けてきている。あとは今回感じた課題を時間をかけて修正していくということか。それさえ出来れば一気に力を上げる可能性がある。次の試合まで3週間の期間が空くが、その間に出来る限りの修正を行って行きたい。
毎試合1部リーグでは成長した姿が見れる。次の試合も進化を見せてくれそうで楽しみだ。早々に準備に取り掛かりたい。

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