11/4(日) 立川FC

report by 楠本

1部リーグ第5節は中学生年代でも強豪の立川FCとの一戦だった。相手は中学生〜社会人まで幅広い世代が融合する非常に手強いチームである。ましてや相手も世代交代を果たしたことから試合を重ねるごとに成長をしてきている感じが伺え確実に厳しいゲームになるであろうと想定していた。ここまでスフィーダは毎試合ごとに成長し、逞しくなってきてはいるが、どのゲームも油断できるようなものはない。何故ならここは東京都のトップリーグであり、油断や慢心を持って戦えるほど簡単な場ではない。ましてや100%の力を出さずして成長がないのであれば、どんな位置付けのゲームであっても全力を出し続けなければならない。
試合は前半からバタつく場面はあるものの、基本的にはスフィーダ主導のゲームが出来ていた。ポゼッションで上回り、多くのチャンスを演出していく。そうしたシーンは試合を重ねるごとに多くなってきたと思う。課題のプレーも修正が見え始めボールの周辺ではそれぞれが高いレベルで技術を発揮できるようになってきた。今回の試合に関して言えば、ボール周辺の選手達以外の運動量が足りず、相手の予測外の攻撃を繰り返すまでには至らなかったが、それでも局面だけのプレーで何度も崩し得点を重ねる事ができた。結果的に5点取れたが、今回は取るべきところでしっかりと得点できたというのが最大の勝因だろう。選手達は流動的にポジションチェンジを繰り返し、自由に、そして、戦術的にも優れた戦いを見せてくれた。得点はどれも見応えのあるプレーの連続から生まれたもので優れた能力を必要とする得点が多かった。決して簡単ではないプレーをいとも簡単にプレーして見せるのはそれだけ習慣が付いたという事の象徴であり、選手達のレベルが確実に向上している事を示していると思う。但し、これは先にも述べたとおりボール周辺のプレーに関してのことであり、それ以外の運動量や意図したプレーは少なかったと思う。この部分で更にオフ・ザ・ボールの質を向上させる事が出来れば、更に予測不能な攻撃が可能になる。
まだビルドアップのミス、簡単なボールの処理、個々の早い判断力と決断力には課題を残しており、今のままでは更に高いレベルで戦えないが、それは少しづつ改善の兆しを見せてきている。また、そのスポーツの根本的なものと言える全力で戦う、真剣勝負を戦う、という部分では未熟さを隠しきれないのは事実である。変な言い方ではあるが、ここまで死に物狂いで戦ったゲームはあったのか?と問われれば、答えは”NO”だ。更に潜在能力を引き出せるはずだし、もっと自分を見失うかのような戦い方が出来ればこのチームは大きく成長する。このチームはどこか技術力で勝負している感が強く、まだ闘志そのものを出し切れていない。今のままでは来週の早稲田戦はいつもと同じ結果にしかならない。それでなくても最強の相手なのであるから、リミッターを外し自分の枠そのものを取り除かない限り勝負を挑むのは不可能だと考える。最強の相手を前にし、選手達がどのように自分の枠組みから抜け出せるのか?それは本当に楽しみな部分である。それは言葉にするほど簡単なことではないが、もしそれが出来るのであればきっと面白いゲームが出来ると信じている。このチームの潜在能力はそれほどまでに高いと思う。今までの歩む道、進んできた道は間違いなく正しいものだ。今ならそれを胸を張って言うことが出来る。早稲田と比べ手持ちの武器は少ないが、十分なだけの武器は持っている。その武器を駆使すればきっと面白いゲームが見れるだろう。今の自分達の力がどこまで通用するのか?真っ向勝負で挑みたい。

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