7/8(日) SOCIOS FC

report by 楠本

全日本女子サッカー大会東京都予選の3戦目は強豪ソシオスとの対戦となった。ソシオスとは春先の大会で同じグラウンドで戦ったが、6:4で押し込む展開だったものの0-1で惜敗していた。スフィーダの歴史を見てもソシオスとの対戦はほぼ五分五分であり、相性としては良い相手とは言えない。しかも重要なところではしっかりと勝ってくるベテランチームだ。相手は経験豊富な選手が多く、東京都国体選抜に選出されている選手も2名ほど在籍している。諸々の要素を考えた時に極めて厳しいゲーム展開を予測していた。しかし、相手にも言えることだが、私達としても負けるわけにはいかないゲームであり、ましてや春先の大会で負けているだけに、個々の成長&チームの成長を確認する上でも重要なゲームだと位置付けていた。
本日のグラウンドは我々の使いたいゾーンに雑草が生い茂るような状況であり、私達の良さをかき消されることが懸念された。それだけに今回に関しては勝利を意識した中でロングボールや簡単なクリアーなどを使用しながら戦うことを選択した。春先の大会では自分たちのスタイルを貫く事を意識させ、グラウンドが悪かろうが繋ぎながら戦うことを意識させたが、さすがに今回に関してはリスクマネージメントを含めて危険なビルドアップは出来るだけ避けようという共通認識を持ちゲームに挑んだ。
前半、思いもよらず、悪いピッチコンディションにも関わらず普段から指導しているわけではない私にしては「よくこのグラウンドでやるな」と思えるような技術を魅せて開始直後から決定的なチャンスを演出していた。簡単にロングボールを使っていく事を指示していたが、やはり、普段のトレーニングでトレーニングしていない事はなかなか実践出来ていなかったが、普段のトレーニングのようにここでもこうした技術力を活かしたサッカーを展開していた事に逞しさを感じる事ができた。これはトップチームが世代交代を果たし、選手達が努力してきた賜物なんだと感じられる前半戦だった。前半は相手に決定機も与えず、8:2に近い状態でゲームを支配する事が出来ていたと思う。春先よりも確実にステップアップしていることだけは明らかだった。ただ、その中で問題だったのは数々の決定機をものにできなかったことか。自分達の使いたいゾーンが雑草で凸凹だっただけにフィニッシュがワンテンポ遅れ、相手に対応する時間と余裕を与えてしまった。また、中学生が中心の攻撃陣では局面のパワー不足もあり、結局、ゲームを支配しているものの得点を奪うには至らず0-0でハーフタイムを迎えた。
後半は若干支配力が落ちたが、それでも支配している事は間違いなく、相手の怖さは経験の差から来る勝負所での感覚やセットプレーだったと思う。それ以外の攻撃に関してはDFとMFの連携、そして、FWの激しいフォアチェックにより決定機を与えるまでには至っていなかった。しかし、経験豊富な選手達が全てのソシオス相手では守り所を守りきられる可能性があったため、時間の経過と共に得点が奪いきれないのではないか?という感覚に襲われていた。そんな中、後半半ばにセットプレーからヘディングで合わせ1-0とようやく得点を奪う事ができた。それでも攻撃の手を緩めずに攻撃的に戦うことが出来ていたが、流れの中から得点を奪うことはできず、辛うじて1-0で勝利を?ぎ取ることが出来た。
今回のゲームに関しては結果が全てであったので勝てたことが全てだ。更にそのような中で自分達のサッカーを随所に発揮できた事は大きいし、たった3ヶ月で着実に成長の片鱗を見せたことに意味を感じている。選手達は逞しく成長し続けているし、随所に光るプレーが見られるようになった。また、チームとしての連動性も徐々に高まってきており、今回に関してはステップアップを感じられる試合だったと思う。前回の2回戦と違いコンスタントに得点を挙げられなかったことがゲームを難しくさせていたが、このグラウンドではどこのチームも大量得点は難しい。その殻を破れれば良いのだが、こうなる事は試合の前から覚悟していたし、想定内のことだったため驚きは無いが厳しいゲームだった。しかし、こうしたゲームに競り勝てるようになったことを評価してあげたい。良くも悪くも良いゲームだったと感じている。

試合結果に戻る