11/3(金) FC駒沢女子

reported by 川辺

約2ヶ月ぶりの東京都1部リーグ、そして、約1ヶ月ぶりの試合。試合勘の鈍りはあると思っていたが、ここに至るまでのトレーニングにはある程度の納得をしてきており、この1戦への自信はあった。FC駒沢との試合はいつも技術や戦術を覆す”普段とは違う力”が作用する特殊なゲームではあるが、それら全てを跳ね除けられる力が今のチームには備わっていると思っていた。そして、何よりも1ヶ月前に行われた関東女子ユース(U-18)選手権大会の敗戦を乗り越え、今回のゲームで勝利を手に入れることが今のチームには必要だと感じていた。そういう意味では勝敗の読めない相手が、関東大会後の試合ということで非常に楽しみにしていた。
試合は開始直後こそ相手にリズムがあったものの、徐々にスフィーダのサッカーを随所に見せるようになり主導権は握っていたと思う。サッカーの質、技術というものでは相手よりもワンランク高い位置でプレー出来ており、充分に勝利に等しい闘い方をしていたと思う。その中で先制点を奪い、先制点の直後も数々の決定機を迎えていく。果たして何点取れるのか?そう感じ取れる戦いぶりだった。しかし、ラストパス直前のプレーで相手に粘られることや自分達のミスから徐々に相手を崩しきれることが少なくなってしまった。相手は前線に非常に危険な選手達を要しており、一瞬でも気を抜けば一気に失点まで持ち込まれてしまう相手であり、尚且つ、その前線の選手達の個性を発揮させるロングボール主体の攻撃を繰返してきた。いつも言っているがロングボール主体の攻撃はどんなに押し込もうが、攻め立てようが1回抜け出されれば、それがそのまま失点に結びつくことがある。途中まではうまく対応していたのだが、やはり、何本か抜け出される中で1回を決められてしまい1-1となった。攻撃に移った直後に奪われカウンター気味に喰らったロングボール、、、本当に一瞬見せた隙だった。
ハーフタイムに入り、相手の前線の個性はうまく粉砕できていた、もう少し相手の嫌がる場所へ侵入できれば後半は前半よりも多いチャンスを迎えることが出来るだろうと話していた。また、本日採用したシステムは初めての試みであり、決して関東大会まで闘ってきたものではない。メンバーも関東大会時のベストメンバーから怪我や受験・諸事情により5名は入れ替わっている。そういう意味でも、この重要な1戦の中でどれだけ選手達が流動的に動き回り、自分達の判断でスペースを創り、使い続けられるか?という非常に難しい状態でもある。また、このシステムを採用しようと考えたのは前日・・・ただ、それでも選手達がここまでトレーニングしてきたことを柔軟に捉えられていれば充分に機能すると考えていた。元々、一番やってみたかったシステムであり、ずっと考えてきたものだったのだが、あまりにも高度な戦術眼を必要とするため封印してきたものだ。
後半に入り試合は難しさを増してしまう。開始からまもなくのFKでGKがファンブルしたボールを詰められて1-2。ここでチームに焦りが出始め、いつもの悪い癖である無謀な中央突破、個人技に偏った攻撃が目に付くようになる。攻撃に幅を持たせるために攻撃的な選手達を投入し4-2-3-1というウィングを置いたシステムへと変更したが、これが逆に流れを手放すきっかけとなってしまったのかもしれない。システムの変更に選手達が柔軟な対応をしきれていなかったように写った。その後、何でもない攻撃から2失点してしまい1-4という結果で敗戦となったが、前半の戦いぶりやサッカーの質では明らかに相手を上回っていたように感じている。それでは何故負けるのか?サッカーとは質で上回っていているからといって勝てる程、簡単なものではない。私達には私達のスタイルがあり、駒沢には駒沢のスタイルがある。正直、相手のスタイルはスフィーダの弱点を付くような攻撃スタイルだ。それだけに自分達の時間帯で追加点を取れず、前半のうちに相手を突き放せなかったのは痛かった。一番苦手な相手と言っても過言ではないだろう。現に駒沢が勝てないチームに我々は勝てる。しかし、駒沢には負ける・・・相性が極めて悪い相手だと思っている。
我々の現スタイルはアクションサッカーであり、攻撃に入ればリスクを犯してでも前に出るということが約束事だ。決して、ロングボールで一か八か抜け出すということには頼らず、しっかりと繋いで確実にゴール前まで侵入したいというのが狙いである。しかし、それだけに
途中でカットされること=カウンターを喰らう状態と同じ
となってしまう。まだまだ我々には確実に繋ぎきりアタッキングサードまで持ち込むことが出来ていない。10回の攻撃機会があれば2〜3回といったところか。その確率をせめて5割以上にしない限り、毎回の攻撃の度にカウンターを喰らうことになってしまう。しかし、今はそれを覚悟で現スタイルを貫いている。確かにロングボールは必要だし、重要な技術の一部だということに疑いの余地は無い。ただ、より現在の攻撃スタイルを確立する為にはリスクがあっても、それを徹底していかない限りチームには浸透しない。日頃の”練習から浮き球禁止”、”クリアー禁止”でトレーニングしているが徐々にそれが浸透して来ているのではないだろうか?簡単に勝つにはロングボールが一番簡単な攻撃方法であり、前線に1〜2枚の優れた選手がいれば、それだけで攻撃は成立してしまう。しかし、それではその前線の2枚以外の上達は明らかに劣ることになる。もちろんチームとして勝つ為にそういう戦術を選択することを否定することはないし、それが間違いだと断言する気もない。ただ、その選手達の為にサッカーをするわけではないし、全員が高いレベルの選手になる為には、スフィーダの目指すべきスタイルは避けては通れない重要な道だと考えいる。単純に勝つことだけを考えれば、徹底して守備戦術をトレーニングし、前線に個性のある選手を置く、そして、ロングボール中心の攻撃をすれば良い。ただ、それでは真に強いチームにはなれない。本当に強いチームはボールを触らせないチームだと思っている。もう少し時間はかかるかもしれないが着実に力を付けてきているという実感を得ているし、結果に固執することなく選手達の育成と強化だけを考えて我々は我々の道を歩んで行きたいと思う。そうでなければ”ある程度のチーム”で終わってしまうような気がする。我々が目指すべきサッカーを徹底・充実させ、意味のある勝利を重ねられるチームへと進化を遂げたい。それが今後の課題だ。とにかく今のまま進んで行きたい、、、歩んでいる道は決して間違ってはいない。

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