8/26(土) 東京経営短大村田女子高校

reported by 川辺

遂に準決勝を迎えた。ここで勝利は関東大会への出場を意味し、私達がずっと追い続けてきたもに近付くことにもなる。昨年は高校2年生が最上級生のチームであった為、今年のチームはそのチームから誰一人引退することもなくチームを作ることが出来た。もちろん怪我などの諸事情で複数の主要選手を出場させることが出来なかったことはあるが、それでも昨年の関東大会で出た一番の課題である『誰が欠けても落ちないチーム力』を克服できていた為、そこに対する不安はなかった。私達はこの大会の為に、そして、この関東大会を懸けた戦いを当面の目標として活動してきただけに先週の3回戦からほぼ完璧とも言える調整を行ってくることが出来た。相手は高校選手権で全国大会に出場した強豪高ではあったが、相手を恐れることよりも自分達に対する自信の方が上回っていた。だからこそ、非常に良いゲームの入り方が出来たと思う。我々の精神状態はまずまずのレベルで保たれていた。
そんな中、始まった準決勝。昨年同様に開始直後に右からのクロスをFWが頭で合わせて先制点を奪うことに成功。これで選手達の緊張もほぐれ、自分達のリズムで試合を制することが出来た。前半で我々の放ったシュートは9本(2点)、それに対して相手の有効なシュートは0本と完璧なゲーム運びが出来たと思う。もちろんこれには理由がある。我々(スタッフ・選手)はここに至るまでに相手の現在のビデオ、過去のビデオまでチェックし、相手の戦い方を分析出来ていた。どのような攻撃が有効で、どのように相手の攻撃を凌ぐのか?また、どのような展開に持ち込めれば勝利を確実に手繰り寄せることが出来るのか?それが今回の試合運びにつながった。もちろん、サッカーは時として予測の出来ない展開や予期せぬ事態を引き起こすことがある。だからこそ、見えない部分もあるのだが、今回に限っては上手く行った部分の方が多かった。
前半を2-0で折り返し、尚且つほぼ完璧なゲームプランで進んだだけに後半への入り方、選手達のメンタル的な部分のコントロールは簡単ではなかった。ただ、1つ確実に勝利を手にする為に必要なこと、それは3点目を奪うということ。私達が先に3点目を奪うことが出来れば、この試合は確実に勝てるという話をした。前半はボールの奪い方、そこからの展開など狙った通りのものが出来た。ただ、技術不足から決定機で追加点を奪いきれずにズルズルと時間だけが過ぎ去ってしまった。前半で得点を奪うことが重要だということ、また、前半で勝負を付けるということ、この2つに関しては試合前に話したことである。何故なら、我々のフィジカルでは村田高校のフィジカルには到底及ばない、試合が終盤にもつれればもつれるだけ私達が苦しくなることは誰の目にも明らかだった。その部分に関しては夏休みに入ってから最低限の調整はしてきたつもりではあるが、村田高校のレベルに到達出来ていたわけでもなく、かと言ってすぐに追いつけることでもないので、私達は私達の武器で戦うしかなかった。相手よりも上回るものは技術力だと思っていたが、いつも言うように試合は常に紙一重であり、どうなるか予測できない部分が多いことも事実。だから、ここまで来れば私にはこのチームの力と精神力を信じることしか出来なかった。
後半に入ると前半で相手のサッカーをさせない為に、そして、前半で勝負を付けるためにいつも以上に過酷な要求をしていたことから、選手が続々と動けなくなって行く。予想よりも早い体力面での低下が見て取れ、徐々に相手の得意とする形を崩せなくなってしまった。前半であと1点取れていれば、このような展開にはならなかったと思うが、追加点を取れなかったことで相手に逆転の可能性を残してしまったのが不味かった。徐々に相手のリズムへと変化して行くことになった。しかし、本当に苦しくなる時間帯の前に追加点を奪うことが出来、これで勝負が決まった。相手のリズムになりかけていた時間帯での追加点は、精神的に強い村田高校でもきついはずである。しかし、それでもフィジカル的に有利な状態を生かし攻撃の手を緩めることなく攻めてくる村田高校。劣勢を余儀なくされるが、私達もその差を少しでも埋めるべく交代枠(5)を全て使い切り、何とか対抗しようと試みた。中盤選手の運動量低下と3点目を奪ったことでの良くない心理状態から状況は改善されなかったが、それでもカウンターアタックを狙い応戦を試みた。結果的に終了間際にコーナーキックから失点し3-1となったが、この試合で重要なことは勝つことである。最後の1失点に大きな問題を感じているが、それでも勝利を手に入れ、関東大会への切符を手に入れられたことに意味を感じている。
これで決勝戦に進むことが出来、東京都の頂上決戦を日テレ・メニーナと行うことになった。日テレ・メニーナは昨年の同大会で全国制覇を成し遂げ、日本チャンピオンになったチーム。当時のチームからセンターバックの2枚が抜ける布陣となっているが、その他の選手達は1つ学年が上がり、パワー・スピードなどが付き、全体的にレベルが低下したという印象は無い。強いことは間違いないし、勝つことの極めて困難な相手ではあるが、可能性が0%でないという勝負の世界だからこそ、全力で勝利を目指して戦いたいと思う。関東大会進出は決まったが、我々の目標は関東大会進出ではない。だからこそ次の1戦も全力で戦う必要がある。

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