10/8(土) 湘南学院高等学校(神奈川県第1代表)

reported by 川辺

関東女子ユース(U-18)サッカー選手権大会準決勝は神奈川県第1代表の湘南学院高等学校との対戦であった。この試合に勝利することができれば全国大会への進出が決定する非常に重要な1戦。夢の舞台へ進む為にはどういう形であれ勝利するしかないという状況にあった。
相次ぐ主力選手の怪我の中、今チーム状態は限界にまで達している状態ではあるが、それを言い訳にすることは出来ない。言い訳をしたところで何も得ることは出来ないし、それが結果に結びつくこともない。また、相手にとってはうちがベストでないことは悪いことではない。むしろ好都合なことだ。知っての通り、この試合は結果のみが全てだ。だからこそ、今の我々に必要なこと、それは今出来ることを整理し、それをピッチの中で示し結果を得る、、、それだけだった。
試合前には入念なビデオチェック、ミーティングを繰返した。勝つ為にどうしたら良いか?それだけをチームで考え今出来ることを全て行った。
試合は予想外にも開始からしばらくは相手を押し込める時間帯が続いた。非常に惜しい場面も存在した。選手達はこの全国大会が懸った試合に対し素晴らしい精神力で入ることが出来た証明だと思う。戦力が落ちているということを感じさせない内容だった。時間の経過と共に相手のパスワークに走らされる場面もあったが、これは想定内のことでありチームの全員が問題だとは感じていなかったと思う。若干相手優勢の状況であったが、私の中では勝敗の行方はほぼ五分五分で試合が進んでいるという手応えはあった。相手はポゼッション型のチームの為、しっかりと守り、簡単なカウンターから相手の背後を取り前線の個性を生かして得点を奪うというプランは予定通りに進んでいた。
ハーフタイムに入り、ここまで0-0で来ている結果は想定内であり悪い結果ではないと伝えた。また、少なくとも得点の可能性と得点までのイメージはあったので後半も同じように戦うことを指示した。このまま戦い続けることが出来れば勝敗は五分五分に近い。五部五分ということは勝敗を読めなくするとも言えるが、今のチーム状態なら、それで十分だと思っていた。
後半、思っていた以上に我々の運動量が落ちた。相手のパスワークが前半よりも後半の方が良くなった結果とも考えられるが、やはり、高校チームと我々の間には大きなフィジカル面での差というものが存在した。そして、時間の経過と共に防戦一方となりボディブローのように相手の連動した攻撃が利き始める。出来る限り早い得点を・・・と先制点を狙っていたが、相手の支配力に付いていけなくなり逆に痛恨の失点を許してしまう。得点を奪う為にシステムを代えて反撃を試みたが、チームの戦う意識が薄れ始めていたこと、反撃するだけの体力が残っていなかったということから更に失点を許し0-2まで差を広げられてしまった。そして、試合終了のホイッスルを聞くことになった。
これで全国大会への道は閉ざされてしまったことになる。選手達の表情からは落胆の色が伺え、非常に辛い敗戦だったと言える。しかし、私はこの選手達を称えてあげたいと思う。誰一人として手は抜いていなかったし、全国大会進出という目標に全力を尽くしていたと思うからだ。選手達は今出来る全てを出し切った。それで負けたのだから仕方がない。選手達の姿勢には満足している。よく戦ってくれた。素晴らしい意識の選手達だったと思う。だから悔いはない。私達を打ち破った湘南学院に私達の分まで全国大会で奮闘してもらいたいと願う。
東京都予選から1ヶ月・・・ここに来るまでにも色々なことがあったが、それでも選手達は目標を1つに歩み続けてくれた。関東大会では多くの経験が出来、先に繋がる重要なヒントを得ることも出来た。そして、夢に向かい共に戦うことが出来た。これも全ては選手達とそれを応援し続けてくれた保護者の方々のお陰だと思う。だからこそ心の底から感謝している。私は選手達に恵まれ、そして、それをサポートしてくれる保護者にも恵まれている。全ての環境に恵まれているのがスフィーダ世田谷というチームだ。だからこそ、選手達にも保護者にも最高の思いをしてもらいたい、そうさせたいと私は願う。私が出来ることはこの日々の恩返しを【成長】という形で示すことだけである。そう考えると今私が持っている知識や技術をこれからも選手達に伝え続けて行かなければいけない。責任感とプレッシャーの伴う作業ではあるが私はこれからも選手達と歩み続けて行きたいと思う。そして、必ずや来年の大会でも東京都予選を勝ち上がり、更には関東予選も突破したい。それが、ここからの1年間でやり遂げなければいけない私の使命だと感じている。

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